2013年3月11日月曜日

相対世界から絶対世界へ移行するとき

私たちがよく知っている世界は相対世界だ。この世界は自分と周りの物事との相対的な関係で成り立っている。


私たちにとってこの相対世界は暮らしやすい環境にしたい場所だ。私たちはこの相対世界をコントロールしたいと思っている。


そして相対世界において、私たちは価値ある存在になりたいと思っている。その思いは、自分に価値がないと思えば、この世界から消えてなくなりたいと感じるほどだ。


相対的な世界は、私たちに温かいわけではない。割りと冷たく突き放されている。私たちは相対世界という海原を頑張って泳ぎ切っていかなければならない。


それは簡単なことではない。手を緩めれば、たちまち溺れてしまうこともあるだろう。苦悩することもあるし、恐れおののくこともある。


思い通りにいかなくてイライラしたり、怒りがこみ上げてくることもある。だからコントロールしたくなる。


その一方で、この相対世界で私は何をするべきなのか、いったい世界は私たちに何をさせたいのか分からなくなるときもある。それはいくら考えてもわからない。


どんな人生が望みだろうか。相対世界を思い通りに動かしていくことだろうか。高い見識と人徳を持ち、豊かな暮らしをしていくことだろうか。美味しいものを食べて、旅行をしたり、買い物をしたりして、面白おかしく生きていくことだろうか。


実際に相対世界は私たちにいろいろな経験を与えてくれる。素晴らしい音楽、息を呑むような景色、芳しい花の香、心が溶けてしまいそうな美味しい食事、天国のような暖かい陽だまりでのうたた寝。相対世界でこんな経験をすれば、私たちはそれに夢中になる。


そんな体験をたくさんしてみたいと思う。だが、それは人生のほんのひと時のことだ。どんなに素晴らしい経験も過ぎてしまえば、過去の思い出になるだけだ。そこに在るリアリティはあっという間に失われていく。


世界をシニカルに言っているのではない。素晴らしいことは、素晴らしいこととして経験すればいい。最高の気分も私たちの大切な人生の要素だ。


だが、いつか私たちはほんとうにこの相対世界でこのまま遊んでていいのかと思いはじめる。どんなにおしいい料理でも毎日毎日食べさせられたら、だんだんと飽きてくる。


いったい食べるってことは何なのだろうと思ってくる。あんなに美味しいと思っていた料理が苦痛になってくる。これも相対世界で起こることだ。


相対世界のことをそう感じてきたら、それを超える世界を知りたくなる。相対世界を経験している自分、ここが相対世界を超える場所だ。だが、私たちは自分のことを何も知らない。


私たちはそこで世界を経験している自分自身に目を向ける。そこで自分自身をもっとよく知りたいと思う。


私たちは身体を通りぬけ、マインドや個人的エゴをやり過ごし、そして今まで知らなかった自分自身の中心地である絶対世界に到達する。


絶対世界には何も無い。相対世界とはまるで違う。そこには何も無いので、何の経験もできない。だが、そこはリアリティであふれている。


今まで物事に目をやりすぎて感じることができなかったリアリティがそこでは輝いている。このリアティが私たち自身の核心だ。これが絶対世界だ。


リアリティは何も望まない。なぜならすべてがリアリティだからだ。すべてがリアリティなら、リアリティはいったい何を望むというのだろうか。


リアリティは何も望まないので苦悩がない。そこはパラダイスだろうか。そういうわけではない。そこは楽園でも遊園地でもないのだ。


ただ一点の完全に静止した点のようなところだ。それでいて、相対世界すべてに浸透し、なおかつ覆い尽くしている。リアリティがなければ相対世界は存在できない。


私たちは相対世界から絶対世界に行き、そしてまた相対世界に戻ってくる。戻ってきた私たちは、絶対世界のリアリティを帯びている。


絶対世界の存在でありながら、相対世界を生きている。もう相対世界を自分の手にしようという野望は消えている。


なぜなら、すでにリアリティとして、相対世界を完全に支配しているからだ。これは相対世界を都合よく変えることができるという意味ではない。ただ、支配しているのだ。


相対世界は相対世界が動かしていくだろう。世界の支配者がそうさせている。それで問題はないと支配者が思っているなら、それで問題はないのだ。


私たちの身体やマインドは相対世界の一部として働き続けるだろう。それは今までどおり私たち自身として生きていく。


私たちは思い通りにならない世界にイライラするかもしれない。だが、それでも私たちはリアリティとして存在し続けている。このことが失われることはない。


まるで世界をつくった神が、その世界で神としてではなく、人間として自らの創造を楽しんでいるように生きていく。