人生では勝者が賞賛される。
誰が勝者なのだろうか。
私が何かをして、世界が何かを与える。
その与えられた量によって勝者が決まる。
世界から何かをたくさん集めたものが勝者だ。
勝者は豊かさを手に入れる。
豊かさは世界を思い通りにする。
そんな勝者を見れば、誰もが勝者になりたがる。
どうすれば世界からより多く集められるか知りたがる。
だがその勝利は一時的だ。
いつか集めたものは世界に戻される。
そしてまた世界から何かを集めようとする。
思考の水平線を超えたところに完全な勝者がいる。
この勝者は敗者になることはない。
そこはすべてを失うことでたどりつける。
すべてを失い、そこで唯一失われないものを知る。
その失われないものが勝者そのものだ。
私たちは世界の何かを集めることなく勝者になる。
すべてを失ったので何も失うものがない。
唯一失われないものは決して失われない。
それは捨て去ろうとしてもできない。
そこでは勝者にしかなれない。
その勝者はすべてを失ったが、
世界のすべてを手に入れる。
世界のすべてを手に入れても、
それを守る努力も必要ない。
世界のすべてが勝者そのものだからだ。
この勝者こそ、どんな勝者にも勝る。
この勝者は存在と呼ばれる。