私たちは成功することを望んでいる。
だが、成功することは失敗することであり、
失敗することは成功することだということを知らない。
私たちが成功者と呼ぶ人は、
何かしらの偉大な事業を成し遂げ、特別な才能を認められ、
それによって財産を得て、生活を豊かにした人のことだ。
だからといって、成功者が特別だというわけではない。
たくさんの偉大なことを成し遂げた人は昔から大勢いたのだ。
だが、そんな成功者たちが人間として進化したことはない。
確かに成功者の功績によって、
物事は洗練され、便利で豊かになったかもしれない。
社会はより住みやすいものになっていった。
それらは評価されるべきことだ。
それがすべて無駄なことだとは言わないが、
それは昔から行われてきたことの焼き直しに過ぎない。
その景色をより良く変えていった人が成功者になる。
だが、その景色を変えても人類が進化することはない。
私たちはそう形だけ豊かになることを成功と呼んで讃えてきたのだ。
成功することで、自分自身は一体何が変わるというのだろうか。
どれだけ運に恵まれても、才能が開花しても、財産が増えていっても、
自分自身は何も変わらない。
私たちは成功することを夢見て努力し、
そしていつか豊かさを手に入れるだろう。
誰からも成功者と呼ばれるかもしれない。
そう呼ばれれば、自分もその気になる。
だが、それは自分への評価が変わっただけで、
自分自身は何も変わっていない。
私たちは豊かになれば自分が変わると思ってきた。
だが、それは期待はずれに終わった。
成功しても何も変わらない自分がそこにいる。
私たちは成功して、そして自分を変えることに失敗したのだ。
かりそめの豊かさはそこに残ったが、
結局、自分がそれ以上の何かに進化することはなかった。
もし私たちが豊かさを手に入れることができなければ、
失敗者と呼ばれるだろう。
失敗者は貧しい。
世界から何も手に入れることができなかった。
私たちは何もかも失って何も持っていない。
私たちは失敗者として、すべてを手放してしまったのだ。
もし、自分の心の中が貧しさによって空になったなら、
それはまさに失敗者の姿だ。
だが、そこで私たちは誰にも奪われてないものを見つける。
どんなに貧しくなっても、そこに手放すことができない唯一のものがある。
それが自分自身だ。
失敗者の姿は貧しく見えるかもしれない。
だが、すべてを失った貧しさの中で、
この自分自身を見つけたなら、そこで私たちは成功をおさめる。
この自分自身こそ、成功者たちが探し求めていたものだ。
それは永遠に変わることなく、世界中に行き渡り、
決して失うことのない、最高の豊かさなのだ。
私たちは人生で失敗して、すべてを失ったとしても、
自分自身だけは失うことがない。
その自分自身が最高の成功だと気がつけば、
私たちは自分自身を変えることに成功したのだ。
過去の成功者が誰も成し得なかった完全な成功がここにある。
